旧制高校と寮歌の辞典 
壱 旧制の学制  弐 旧制高校とは  参 寮歌の著作権
  六 寮歌に関する文献  七 家主と寮歌の関わり合い
八 旧制高校と寮歌に関する情報交換


 あまり役に立ちませんが、まあ参考までに読んでください。寮歌については校歌、応援歌、寮歌、記念祭歌、その他に分類してみました。

 注 説明の結に「対」とあるは対になる語句です。

 ああうるわしの寮歌  「嗚呼革命は近づけり」が最初に来るのがしゃくなのでいれた。特に深い意味はない。 
 嗚呼革命は近づけり  「嗚呼玉杯」の譜を使った、戦前の左翼運動の歌。これから大阪高校の嗚呼黎明は近づけりができたと言われる。
 嗚呼玉杯  第一高等学校第十二回紀念祭寮歌。おそらく寮歌で一番有名な歌。これを元歌とした歌は多い。 分 記念祭歌
 嗚呼黎明は近づけり  大阪高校全寮寮歌。三番、五番に一高の影響がみられる。 分 寮歌
 伊吹おろし  第八高等学校大正五年度寮歌。三番にある「見よソロモンの栄耀も 野の白百合に及かざるを」は有名。出典は新約聖書マタイ伝六章二十九。

 


 

 
 紅もゆる  第三高等学校の歌。逍遙の歌とも。元は組の歌だったらしい。沢村胡夷が作詞したものとは異なって伝えられている(神陵文庫 紅萌抄第六巻143〜161)。なお作曲者はK.Yとのみ記されており、誰であるかは未だに不明である。       
 分 その他 
 恵迪寮  北海道帝国大学予科の寮。戦後、北海道大学に引き継がれその伝統を守っている。寮歌も毎年作られており、旧制高校の寮のにおいが残っている数少ない寮。しかしながらどうみても網走刑務所そのままの、今の寮の建物の造りは非人間的であり、当局の陰謀が見え隠れする。         
 寮歌に関して言えば、第一高等学校の記録を破るとねらっているらしいと聞いた事がある。  
 ゲルピン  ゲルトピンチの略。要はどか貧の状態。どうやらこの状態に陥らなかった者はまれであるらしい。最近は殆ど聞かれなくなった。
 駒場寮  東京大学の学生寮。建物は第一高等学校以来のもので、旧制高校の寮としては初めての鉄筋コンクリート造りだったはずである。廃寮騒動が続いているが、なにも日本に一つぐらいこういう寮があってもいいと思うのは家主だけではあるまい。

 
 試験  何時の時代にも学生、生徒を苦しめる最大の敵。しかし意外に何とかなってしまうものでもあるらしい。中には自ら留年する強者もいた。 参 ドッペリ
 四高寮歌集  昭和41年 平成13年 第四高等學校同窓会 
 80周年と115周年に出されたもの。115周年は戦前の譜等にあたったもので、寮歌の変遷について興味深い指摘がなされている。
 他に国会図書館に、明治期のものが楽譜扱いで所蔵が確認できる。こちらの番号はYDM730−39。 。
 思誠寮  松本高等学校の寮。
 自由寮  第三高等学校の寮。
 ストーム  どこの寮でも必ず行われた、寮の行事の象徴的なもの。寮内を集団で寮歌をがなりながら襲撃をかけた。ストームを理解できなければ寮を語る資格はない。 
 仙台寮歌祭  平成九年まで、三十一年三十回にわたって開かれた寮歌祭。残念ながら出場者の高齢化を理由として終了してしまった。主催は地元の河北新報社。後期の十一年を見る限り、運営者に変化が見られた後はなく、どうも「一力くんと寮歌な仲間たち」で終わってしまった感がある。寮歌の喧伝、一人になるまでやると言った当初の意気込みはいったいどこに消えたのだろうか。
 仙台寮歌祭の特徴  形式は日本寮歌祭委と同様、会館での開催に入場無料と、よくある宴形式の寮歌祭とは異なっていた。そのため、じっくりと寮歌を聴けたのが特徴であり、また壇上での演出も楽しめたものである。        
 また商業、工業などの実業学校の参加も多く、これが他の寮歌祭とは異なる点で特筆すべき事である。
 仙台寮歌祭の        
    パンフレット
 仙台寮歌祭ではパンフレットはないに等しく、毎年同じ作りで、参加校のみが異なるという代物であった。ちなみに当初の発案者の中に第一高等学校出身で、のちに仙台市長となるI氏もいたのだが、途中彼が逮捕されると言う不祥事があり、以後その市長のことは寮歌祭からは抹殺されている。意外に知られていない事実である。
 仙台寮歌祭の        
  パンフレットその二
 最後の第三十回寮歌祭で作られたパンフレットは、過去十年来もっとも気合いを入れて作った物らしく、各参加校別に歌詞を掲載するなどの努力が見られる。実際のところ、歌詞がわからなければ、いくら聞いたところでそうは覚えられるものでもなく、むしろ遅すぎた感すらある。ところが載せたのはいいものの、校正を全くしなかったらしく、例えば神宮皇学館大予科「若草もゆる」の場合、紅顔児が笑顔児になっている等、あまりにも誤植が多いという指摘がされている。  
 天は東北 第二高等学校校歌。土井晩翠作詞による校歌のなかでももっとも秀でた歌詞だと思う。 分 校歌
 第一高等学校
 第五高等学校
 第三高等学校
 第四高等学校
 第七高等学校造士館 元は薩摩藩藩校造士館。
 第二高等学校 
 第八高等学校 
 第六高等学校
 ダウンタウン        
   ヒーローズ
 早坂暁氏の学生時代の自伝。松山高等学校時の話や山口高校との定期戦、寮祭の話などがある。どくとるマンボウ青春記と共に、旧制高校生活を知る上で必読の書。映画にもなった。
 ダベリ  駄弁から派生。寮生活において大事なものの一つ。ここから幾数多の人間関係が作られていった。
 地名高  ナンバースクール以外の、名に地名を関した高校をまとめて指すが、どうも学習院もこれに入るらしい。 対 ナンバースクール

 定期戦  各高校とも年に一度、運動部の定期的な交流戦があった。一高三高、二高水高、五高七高など。中でも五高七高定期戦には逸話があり、大正十五年に「武夫原」をめぐり両校応援団が衝突、以来中止に至っている。対抗戦ともいう。 
 土井晩翠  第二高等学校教授で粟野健次郎、戸張竹風と共に二高三大名物教授の一人。本名は土井(つちい)林吉。詩人として有名だが、数多くの校歌、応援歌も作詞している。高等学校では二高、松本、浪高などがそれであり、仙台での戦前からある小中学校は大抵土井晩翠作詞である。教科は国文学のように見えて実は英文学で、それを知らずに受験した人は多かったらしい。ちなみに発音は仙台弁丸出しのものすごいものであったといわれている。
 どくとるマンボウ       
     青春記
 北杜夫氏の学生時代の自伝。松本高校での生活などの記述があり、ダウンタウンヒーローズと共に、旧制高校生活を知る上で必読の書である。近年、この本に出てくる日記が別個に出版された。
 永遠の幸  札幌農学校校歌。今日でも北大で歌い継がれている。作詞は有島武郎。
分 校歌 
 ドッペリ   ドッペルから派生した語。留年すること。二年連続でドッペルと、凱旋と言って学校から追い出される恐怖が待っていた。もちろん中には進んで留年する強者もいたらしい  参 試験
 南下軍の歌  第四高等学校の歌。明治四十年春に対三高との定期戦が開始されたときに作られた。応援歌らしい応援歌だと思う。 分 応援歌
 ナンバースクール  一高から八高までの各高校を特にまとめていう。 対 地名高
 新潮走る  第六高等学校中寮寮歌。歌詞から見て元は記念祭歌である。明治から大正への移り変わりという時代が反映されている。 分 記念祭歌
 日本寮歌祭  毎年日比谷公会堂で行われている。寮歌を生で聴ける数少ない機会。
 日本寮歌集  今日書店で入手できる寮歌の本では最も信頼の置ける本。ただ版が古いのが惜しい。
 日本寮歌集の      
   資料的評価
 日本寮歌集は、おそらく一般に流布されている本としては、質、量共にもっとも秀でたものであることは間違いのないところである。ただ版が昭和四十一年と古く、おそらくそれまで一度も更訂されていないことから、若干の古さは目につく。それを補完する意味もあってか、寮歌大全では別冊として寮歌集が付されているが、こちらは譜面が殆どなく、案外使えるものでもない。      
 とはいえ、質量共に日本寮歌集を上回る本は今のところなく、また十分に使用に耐えうることから、この本を軸に、各校の寮歌集を重ねていく方法が確実である。

 

 

 
 ぴょんこ節  タータタータというリズムからなる日本古来からの節回し。寮歌もまたその例外ではない。
 弘前高等学校
 武夫原頭  正しくは東京帝国大学寄贈之歌。長調で歌われる。武夫原とは第五高等学校の運動場の名称。この歌の真髄は、五高出身者でなければわかり得ないものであるとも言われる。

 
 北辰斜めに  第七高等学校造士館寮歌。歌詞から十四周年記念祭歌と分かる。 分 記念祭歌
 北冥寮  弘前高等学校の寮。

 水戸高等学校
 都も遠し  弘前高等学校寮歌。これも長調で歌われた。
 明善寮  第二高等学校の寮。

 
 山形高等学校
 山紫に水清き  第二高等学校明善寮寮歌。戦後東北大学になって、「北辰斜めに」から借用したらしい巻頭言がついた。なお陸軍の仙台幼年学校にも「山紫に…」で始まる歌があるが、これはまた別の歌である。

 

 

 
 寮歌  狭義には寮の歌のみをさし、校歌、応援歌は含まれない。記念祭歌は厳密には寮歌ではないが、ほぼ同義とされる。広義には旧制高校の他、専門学校等戦後消滅した学校で歌われたあらゆる歌を指す。普通寮歌と言えばこちらの意味。当家頁も後者に従っている。 
 寮歌は生きている  おそらく過去に出版された本の中で最も収録数の多い本。しかしながらその信頼性については議論の分かれるところであろう。今日ではおそらく入手不可能である。家主は神田の古本屋で入手した。

 

 

 

 

ハミングするときに使う音(おいおい)。

館頭  冒頭  壱へ  弐へ  参へ  六へ  七へ  八へ